ラジオ体操の理念と効用

ラジオ体操の理念

体操において、それぞれの運動の源となる根拠は、解剖生理学と運動生理学です。
体操の各動きは、すべて理論に基づいて構成されており、日常生活一般の中では使わないような、「特異な動作」であることが特徴です。

それは、日常の生活一般における動きだけでは、体の機能を狭めてしまったり、部分的な過剰な動きとなってしまったりという過不足を除去する運動こそが体操だと位置づけているからです。
この位置づけこそ、体操が健康の保持増進の役割を担っている考えの基本です。

体操の源流

このような考えのもとに体操という運動が考案されたのは、18世紀のヨーロッパであり、そのアイデアを実践していたアメリカに学んだのが、日本のラジオ体操です。

スウェーデンのP.H.リング(1776~1839年)によって、スウェーデン体操のスタートともなった医療体操は、骨・関節を可動させ、固まりを除去し、身体各部の可動域をいかに保持するかという脊柱の伸展、脚部の可動運動が主な運動としてプログラムされて、高い評価を得ました。
その後デンマークのニルス・ブック(1880~1950年)によって、骨格を中心とした体操に加え、筋肉体操の必要性を説き、より活動的体操を提唱して大きな支持を得ました。
この体操は、基本体操と名付けられました。

基本体操の効果

  • 関節の可動域を保持する(体の固癖を除く)
  • 筋肉強化(体の弱い部分を作らない)
  • 運動機能を保持する(体の調整力を保つ)

ラジオ体操の効用

筋肉とラジオ体操

人間の身体には、約650個の筋肉組織と約200の骨約400の骨格筋があります。
骨格筋(随意筋)とは、意思により動かすことができ、骨格を支え、運動を起こし、エネルギー交換作用を行い、血液を循環させ、体温を維持するなど、生命の源を担っています。

一説によれば、ラジオ体操第1を行うと、およそ400個の骨格筋を動かすことになるといわれていて、ほぼ全身の筋肉を動かせているといえます。

さらに体操では、筋肉を縮める動作と伸ばす動作とを一対として行うことが多く、この動作を拮抗運動と呼びます。
ラジオ体操では、このように筋肉を縮める動作と伸ばす動作(筋肉の伸展=ストレッチ)を行うことで、筋肉が「ゴム」状の伸縮性に富んだ働きを保つことができるように作られています。

ラジオ体操が与える筋肉の効果

  • 拮抗運動による伸縮性のある筋肉づくり
  • 筋肉の屈伸運動による血行促進
  • エネルギー代謝による筋肉の再生